読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LITERALLY

知っておくと楽しい知識をまとめて紹介

幸せに生きるために知っておきたい心理学・脳科学の8つの研究データ

TIPS

f:id:tsukuruiroiro:20161102124259j:plain

心理学・脳科学についての世界中の研究結果は、面白いものが多い。統計・分析によって示されたデータを見ると、脳のタフさに驚くし、人間の皮肉な心理に歯がゆく感じることもある。ただ、脳の働き方や心理作用をある程度知っておけば、生きることが少し楽しくなるかもしれない。今回は、幸せに関する心理学・脳科学の8つのデータを紹介する。

 

1.辛いことがあっても、幸福度はだんだんと元に戻る

意外だけど、このことを証明するデータは多い。以下に少し紹介。

①下半身麻痺になってしまった人と、数億円の宝くじを当てた人の1年後の幸福度は変わらない 

(ハーバード大学心理学部のダニエル・ギルバート教授のTEDより)

②最愛の人を突然失った時、幸福度は一時的にガクンと落ちるが、平均4〜5年でもとの幸福度にまで戻る。むしろ、元の幸福度を超えることも多い (書籍:幸福の計算式より)。

これを知ってから、生きるのがだいぶ楽になった。受験に失敗しても、就活に失敗しても、仕事でありえない程のミスをしても、1年経てば幸福度は変わらない。最善を尽くす必要はあるかもしれないが、落ち込む必要はない。

逆に、通勤時間の長さによる不快感はいつまでも慣れないとのこと。

 

※以下、2〜6は「NHK 幸福学白熱教室」、書籍「幸せをお金で買う5つの授業」 を参考にした。

2.物にお金を使うより、経験にお金を使う方が幸福度は高くなる

  • 大衆車に乗っている人も、高級車に乗っている人もドライブでの満足度は変わらない(ミシガン大学の調査)。
  • ドイツで、引っ越しをした人を対象に大規模な調査が行われた。人々は家については大変満足したが、引っ越しから数年後、人生の幸福度には変化がなかった。
  • 人は買ったものに対して後悔をしやすい。たとえば電化製品は壊れるまでが早く、他人がより高機能の製品を持っていれば、どうしてもそれと比較してしまう。
  • 一方で、お金の使い方について、人が最も後悔しているものは、お金を使わずに逃した経験だという調査結果がある
  • 経験は比較ができない(自分がバリ島で楽しんだサーフィンと、他の人のアフリカ旅行は比べようがない)
  • 人は買ったものについて話すことよりも、お金を使った経験について話すことを好む。

これはたしかに納得できる。モノを買って物欲を満足させるより、アウトドアや映画などの体験にお金を使ったほうが記憶に残ることが多い。 モノを買うにしても、それをどう体験につなげていくかが大事なんだと思う。

 

3.楽しみを味わうチャンスが限られてくると、より積極的に行動するようになる

  • 有効期限の長いクーポン券より、短い期間のクーポン券のほうが使われる可能性が高くなる。これは時間が限られることで、使いたい気持ちがより強くなるから。
  • ロンドンには世界中から観光客が集まるが、ロンドンの人はビックベンを見ない。地元の人がロンドンを見るのは、たいてい引っ越しの際になる

そう考えると、スティーブ・ジョブズが毎日鏡の前で「もし今日が人生最後の1日だとしたら…」と想像していたことは合理的だったのだと思う。学生であれば卒業までの限られた時間、社会人であれば残りの人生・残りの社会人生活について考えることで、行動のためのエネルギーが湧いてくるかもしれない。

 

4.自分のためにお金を使うより、人のためにお金を使ったほうが幸せを感じやすい

与える喜びは人間の基本的な欲求である。カナダの大学生に現金を渡し、自分のためにお金を使うグループと、自分以外のためにお金を使うグループに分けたところ、人のためにお金を使ったグループのほうが、はるかに幸福度が高くなっていた

これについては、ウガンダのような貧しい国でも同じ研究結果が出ているとのこと。生活費だけで精一杯と思っているときでも、ほんのすこし贅沢を我慢して友人に何かをプレゼントしたり、寄付をしたりするのは良いのかもしれない。

 

5.「今」という瞬間に集中することが幸せを感じるのに重要

未来のことを妄想するより、過去を振り返るより、今ここに集中することで人は幸せを感じる。楽しい妄想も、内容に関係なく目の前の事に集中していることの楽しさには敵わない。「心ここにあらず、にならないこと」、「うわの空にならないこと」「今という瞬間に集中する事」は幸福にとって重要なことである。 

これについては将来について想像を膨らませてモチベーションを上げることもできるので、あくまでオン・オフの切り替えが大切なのではないかと思う。ただ、未来のことも過去のことも忘れてスポーツに没頭したり、旅行に行き目の前の景色を全力で味わったりする時間があるからこそ人生は楽しいはず。

 

6.社会との結びつきの強さ、他者との良好な関係が幸せを感じるための必要条件

友人や家族など、まわりの人と良好な関係にあることが幸せになるために重要。たとえ親しい人が周りにいなくても、コーヒーショップで店員と会話を交わす程度でも、幸福感を高めることができる。ただし、これは必須条件ではあるが、十分条件ではない。

人と接することが面倒になるときは誰にでもあるだろうけど、少々無理をしてでも誰かと話すことで気分が爽やかになるのかもしれない。そういえば「コンビニで買い物をしたときに、ありがとうと言うだけで人見知りは改善されていく」って最近どこかで読んだ気がする。

 

7.人の話を聞いてあげると話し手は幸せな気分になる

人は他人のことより自分のことを話したがるというデータ結果がある。ハーバード大学のMRIを使った研究によると、人は自分のことを話すときに、「セックス、コカイン、美味しい食事などの刺激による快感を感じる」際と同じ脳の部位が活性化するという。また、誰かに話を聞いてもらっている時の方が、聞いてもらっていない時より、脳は活発に働いていた。

The Neuroscience of Everybody's Favorite Topic - Scientific Americanより

人間関係をスムーズにしたいなら、少々苦痛だが人の話を聞いてあげるのが手っ取り早い。誰もが潜在的には、自分のことについて話をしたいのだから、他人の話を面白がっているように聞くことが出来る人は誰からも好かれるはずだ。

 

8.特技を身につけることで長期的に幸福度は高くなる

何かの分野において特技や能力を身につけるための努力をした人は、たとえ一時的にストレスを強く感じることがあっても、長期的に見ると、より大きな幸福感と満足感を得られる(2009 Journal of Happiness Studiesより)。

パッといえば、英語やデザインやプログラミングなどが思い浮かぶ。たしかに実践レベルで学ぶときは決して楽でないときもあるだろうし、面倒になるときもある。ただ「これだけは負けない」と誇れるものがあれば、食いっぱぐれる心配も少なくなるし、自尊心を保つのに効果的だとも思う。

  

ここまで8つまとめてきたが、データが多く、書ききれない研究結果も多かった。

①の部分でも少し触れたが、ハーバード大学のダン・ギルバード教授のTEDの映像は是非見てほしい。例え方は秀逸だし、話し方も面白い。「心理学的免疫システム」の話には勇気がもらえるはず。


ダン•ギルバート:「私たちが幸せを感じる理由」 | Talk Video | TED.com

このTEDに感動し、衝動買いした「幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学」という本もとても面白かった。

 

この記事もおすすめ