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LITERALLY

知っておくと楽しい知識をまとめて紹介

【職業別】人工知能・テクノロジーにより将来消える仕事、変わる仕事

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 人工知能についての2つめの記事になる。

今回は、「職業一覧」から20ほど職業をピックアップして、テクノロジーによる代替の可能性について考えていく。人工知能だけでなく、テクノロジー全般の影響を考慮していく。基本的に中長期的な視点で書いていること、あくまでも個人の現時点での考えであることにご注意。

目次
  1. 人工知能により代替される可能性のある職業
  2. 人工知能により変わる職業
  3. 人工知能による代替が難しい職業
  4. 人工知能により新たに生まれる職業

 

1. 人工知能により代替される可能性のある職業

美容師

美容師の仕事は10〜20年でロボットに代替される可能性が高い。ヘアカット・カラーリングなどの作業は、人による差異が小さく、パターン化が可能だからだ。ロボットによるヘアカットは次のようになるだろう。まず切る前に自分に似合う髪型をシミュレーションができる。360度どういう見た目になるか、画像・映像で事前に確認することができるのだ。髪型のデータベースは無数にあり、自分好みに細かな調整もできる。気に入った髪型が決まったらロボットがそのシミュレーションそっくりそのままの髪型に変えてくれる。このロボットが導入されれば、「想像と違う髪型にされてしまった」なんていう惨事はなくなる。美容院のスタッフの仕事は、ロボットに新しい髪型をインプットしたり、お客さんのヘアスタイルの相談にのったりすることになるだろう。

 

アパレル販売員

現時点で、衣料店には過剰な数のスタッフが常駐している。服は人それぞれ好みがあるため、スタッフに相談したところで当り障りのないアドバイスしかもらえない(AOKI等の紳士服店などはまた別だが)。現状、尋ねたら教えてくれるユニクロスタイルで十分であるし、ロボットが導入されればスタッフはほとんどいらなくなるだろう。
そもそも実店舗は今後急速に減っていく。実店舗が未だにオンラインショッピングより優位にあるのは、サイズと素材が見てみないと分からないという問題が大きい。しかし、「返品が今後ますます手軽になっていくこと(自動運転車の普及も影響する)」、「店舗まで行かなくともバーチャル試着ができるようになること」からサイズの問題はクリアされる。
また、アパレルはキュレーションと非常に相性が良い。人工知能が自分の求めていた服を提案してくれるようになるため、オンラインで服を探すのが圧倒的に楽になる。そのため、アパレルの主戦場はオンラインに移り、店舗スタッフは減っていくだろう。

 

ハウスクリーニング業者

掃除は自動のロボットが行う。ドローンなどにより、今までルンバが届かなかったタンスや机の上も自動でくまなく掃除できるようになる。

 

コンポーザー(作曲家)

人工知能による作曲は、今後数年間で実現するかもしれない。ピアノの鍵盤を想像してもらえば分かるだろうが、メロディーにははっきりと音階が決まっており、数もそう多くない。曲とはその音階のパターンの組み合わせだ。つまり、AIはとてつもなく膨大な過去のヒット曲のパターンを分析し、組み合わせることにより、素晴らしいメロディーの曲を作り出すことができるかもしれない。ただしドラム音をつけたり、効果をつけたり等という音に深みを持たせる作業はしばらく人間の手で行われるだろう。

 

通訳者・翻訳家

通訳については、あと10年もすればほとんど人工知能が行うようになるだろう。スカイプには同時通訳機能は既に実装されている。まだ、簡単な日常会話で使用できるレベルだが、その精度はどんどん向上していくはずだ。ただし小説等の翻訳にはもうしばらく人の手が必要になるだろう(小説の翻訳は自ら小説を書くことに近い作業だと言える)。

 

データ・アナリスト

人工知能による分析のほうが精度が高くなる。いかに人工知能をうまく活用するか、また分析結果をいかに噛み砕いて世の中に伝えていくか、ということが主な仕事になる。

 

タクシードライバー・トラック運転手 

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言うまでもない。自動運転の実現はそう遠くない。自動運転については書きたいことがたくさんあるため、別の記事で取り上げたい。

↓書きました

2030年 自動車の未来:自動運転とEVはどのように世界を変えるか - Literally

  

ウェブデザイナー

Webデザインの仕事の多くが人工知能により奪われるかもしれない。現在、Webデザインをしてくれる人工知能は「The Grid」というスタートアップが開発している。
危機感を感じるべきは人工知能だけではない。僕は近いうちに実力のないWebデザイナーは淘汰されていくと考えている。インターネット・バブルにより、あまりに過剰な数のWebデザイン会社とWebデザイナーが生まれてしまったのだ。

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まず、Webデザイン会社への依頼の絶対数が減っていく。ネット上には既に世界中の腕のあるデザイナーによる既に数々の良質テンプレートが溢れている。テンプレートを使えば、小さなWebデザイン会社に頼むよりよっぽど安く、良質なサイトを作ることができる。そのうち「優良なテンプレートを数多く持ち、サーバーとセットで販売し、導入までサポートするサービス」が現れ、実力のないWebデザイナーの仕事はたちまち奪われてしまうだろう。
Webデザイン1本で食べて行きたければ、もはやアートに近い形で常に新しい表現を提案し、人々を驚かせ続けなければならない。

5年後のWebサイト制作

  • 資金に余裕のある大手企業→大手の広告代理店や大手Webデザイン会社に依頼
  • 資金に余裕のない個人や飲食店等→テンプレートによるWebサイト制作

 

Webデザインのスキルを活かして仕事をしていくためには

  • 他のデザイナーには真似できないような一流のスキルを身につける
  • エンジニアとしてのスキルも身につける(エンジニアもデザインスキルを持つべき)
  • サイトの集客や販売までトータルサポートできる能力を身につける(ex.飲食店のWebサイト制作からソーシャルメディアを利用したプロモーションまで一気通貫してサポートできる、等)

 

人工知能により「変わる」職業

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医師

診療科目にもよるが、しばらくは人工知能のよる医師の”代替"は起こらないだろう。今後の医療市場の最大顧客である(現在の)中高年〜高齢者の多くが、人工知能に懐疑的だからだ。医療では効果・効率だけでなく「患者の納得」も非常に重要視される。とくに地方ではこの傾向は顕著だろう。そのため、医師の絶対数が不足している地方で開業医をしていれば、仕事がなくなることは当分ないはずだ。
一方で、都市では病院の競争が激しくなる。今はネット上に病院ごとの口コミが少ないが、今後まちがいなく増えていく。「診察」と「口コミ」は相性が良い。良い医者に出会い、病気が完治すれば口コミを書きたくなるだろうし、てきとうに扱われたら批判コメントを書きたくなる。食べログのように、はっきりと医者・病院ごとに評価がなされるようになれば、自然と腕の良い医師に人は集まるようになる。

また医療分野において、今後見逃せないのは、リモート手術のような遠隔診療だ。遠隔診療により日本全国、さらには世界中の患者の診療が可能になる。実際に遠隔診療を行う医者の数は多くないかもしれないが、腕のある医師は世界中で引っ張りだこになる。どの分野であっても実力のある人間は食いっぱぐれないものだ。

また各病院の診療記録データベースは、世界中で匿名で共有されるようになるだろう。現状では、貴重な診療データが病院の中で留まってしまっているのだ。人工知能は、膨大なデータの中からあなたの症状とに当てはまる病名・治療法を見つけ出してくれる。これにより多くの人々の命が救われる。医学分野の研究開発の進歩にも大きな影響を与えはずだ。これに関しては、Googleのラリー・ペイジがインタビューで語っている(ラリー・ペイジ: グーグルが向かう未来)。

 

看護師

看護師がロボットに完全に代替されるのは随分先になるだろう。
前述の遠隔診療の他に、今後、医学は2つの大きなトレンドを迎える。ひとつは、iPS細胞などによる「再生医療」。もうひとつは「予防医療」だ。1人あたりが医者にかかる頻度は減るだろうが、その一方で社会の高齢化とさらなる高寿命化により、患者の絶対数は増えていく。日本では看護師不足が今よりも顕著になる。移民によっても間に合わず、必然的に看護・介護現場でのロボットの導入は行われるだろう。とはいえ、ロボットが患者に人間以上の安心感を与えるのは難しい。そのため、人による看護は一部の富裕層だけの贅沢なサービスになることが考えられる。介護もまた同様だろう。

 

スポーツ監督

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スポーツ監督にとって、人工知能は優秀な相棒になってくれるだろう。人工知能が過去の試合データを(選手一人ひとりの動きまで)くまなく分析し、最も勝率の高い戦略を立案してくれる。今以上に監督の仕事は、「チームのシンボルとして、チームのムードと選手のモチベーションをマネジメントすること」になるだろう。

審判については間違いなくロボットに代替されていく。理由はシンプル。観客は誰もがフェアな判定を望んでおり、ロボットのほうがフェアな判定ができるようになるからだ。

 

人工知能による代替が難しい職業

ミュージシャン・歌手(演奏)

全てのミュージシャンがロボットに代替されることはないだろう。ファンは曲だけが好きなわけではない。その歌手が歌うからこそ、そのアーティストが演奏しているからこそファンは惹かれるのだ。ただしボーカロイドのような一般人による作曲や、デジタルライブはこれからますます盛んになっていくはず。 

  

イベントプロデューサー

いわば感動をプロデュースする仕事であり、人工知能には代替できない仕事のひとつだ。しかし今後、イベントプロデューサーの実力は、様々な最新テクノロジーに精通しているかどうかで大きく左右される。ライブなどのイベントは最先端のテクノロジーとの親和性が高い。例えば、ライブで入場する際にGoogleグラスを配布し、歌詞が表示される、というようなことができるかもしれない。また、VR表現をいち早く取り入れ迫力ある演出ができるかもしれない。
(個人的には落合陽一さんの新しいメディア表現みたいなものをイベントに取り入れれば面白いのではないかと思っている)

 

アナウンサー

アナウンサーはれっきとしたプロフェッショナル職であり、簡単に真似できるものではない。その場の状況や雰囲気を瞬時に読み取り、適切な解説やコメントをすることはロボットには難しい芸当だろう。テレビやラジオの未来は暗いが、今後も映像と音声は主流であり続ける。新しいメディア上でも実力のあるアナウンサーにはかならず活躍の場があるだろう。

 

絵本作家

絵本作家も人工知能には代替できない職業だ。絵本制作には非常に高度なクリエイティビティーが必要とされる。画力だけでなく、ストーリー構成力・ユーモア・分かりやすく伝える表現力すべてがなければならない。絵本販売だけで十分な稼ぎを得ることは現状で既に難しいが、スキルがあれば他の収入源を確保することは可能だ。ソーシャルメディアを用いたファン獲得戦略はとくに有効ではないだろうか。

 

教師

映像授業により、地方でも格差のない教育が受けられるようになる日は近い。とはいえ「ロボットが子どもたちの先生になる」というような未来は、少なくとも数十年は起こりえないと思っている。そのような未来が来るとしても、アメリカやヨーロッパ等で先に試験的に行われ、そこでの成功事例がいくつか見られればようやく本格的に導入が検討されるようになる、という流れになりそうだ。子供の教育の成果が分かるのは1〜2年後ではなく10数年後であるため、時間がかかることは間違いない。とはいえ、人工知能が子どもの学習の効率化に関して、様々な分析をしてくれる未来はそれほど遠くないだろう。

 

その他代替が難しいクリエイティブ系職業

小説家や漫画家のような創作系の職業も人工知能による代替は難しい。それらは、人の感動体験やイマジネーションが少なからず題材になっており、パターン化できないからだ。ほんの一部の例を下に挙げる。

  • 作家
  • 漫画家
  • 映画監督
  • イラストレーター
  • インテリアデザイナー
  • ファッションデザイナー・コーディネーター
  • 脚本家
  • 建築士…etc

 

人工知能の登場により新しく生まれる仕事

AIインストラクター

人工知能相手に教える仕事。AI自ら学ぶようになったとき、人が人工知能に適切な指導をする必要がある。

 

AIアドバイザー・コンサルタント

人工知能が日常生活の様々なシーンで取り入れられるようになったとき、それをはじめから上手く活用できる人は多くないはずだ。企業にAIを導入する手助けをしたり、AIを利用して経営や政治の意思決定のサポートを行うコンサルタントが登場するだろう。

 

AIエンジニア

すでに存在しているが、ますます増えていくだろう。

汎用性の高いAIシステムがオープンソースで公開されるようになれば(良かれ悪かれきっとなる)、それを利用して様々なロボットやプロダクトを作るエンジニアが生まれる。今でいうiPhone/Androidアプリのように、多くの企業・人が次なるイノベーションを起こすための開発に夢中になるだろう。

 

人工知能関連の本は何冊か読んだが「WIREDのA.I.特集」がとてもよかった。とくに①WIRED創刊者のケヴィン・ケリーの寄稿 ②ディープマインドの創設者たちのインタビュー ③世界の人工知能関連のベンチャー企業一覧あたりは、人工知能に興味がある人はぜひ読んでみてほしい。

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         WIRED VOL.20/特集 A.I.

 

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