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知っておくと楽しい知識をまとめて紹介

人工知能(AI)はこうやって僕たちの世界を変えていく

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これから2回に分けてAI(人工知能)について特集していく。

  1. 人工知能はどう世界を変えるか(本記事)
  2. 《職業別》人工知能が僕たちの仕事をどう変えるか予測する

 

今後、数十年のうちに人工知能(ロボット)により多くの仕事が奪われ、また多くの仕事が新しく生まれる。もはや反論する人のほうが少ないだろう。

テクノロジーによる仕事の代替は今に限った話ではない。産業革命以来、人の仕事は機械により形を変えてきた。機械にそっくり取って代わられたものもあるし、ただ形を変えただけのものもある。人力車の車夫はタクシードライバーになり、手洗いの洗濯屋はクリーニング屋と言った具合に。革新的な製品は一瞬にして世界を変えたわけではない。グラデーションのように少しずつ、でも確かに世の中を変えた。

 

テクノロジーは昔よりもずっと速く、ドラスティックに世界を変えていく

「テクノロジーによる人の仕事の代替」について、今までとは事情が違う点が2つある。

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ひとつめは、テクノロジーの進歩の『スピード』だ。今後のテクノロジーの飛躍のスピードは、100年前とは比べ物にならないくらい早いだろう。過去の知見が蓄積されればされる程、科学技術の発展のスピードは加速度的に上がっていくからだ。さらに最近ではデジタルデバイスとインターネットの普及により、蓄積された知見に世界中からアクセスできるようになった(グーグル・スカラーが分かりやすい例だろう)。

また、積極的なM&Aやクラウドファンディングにより資金の工面も容易になりつつある(参考:DeepMind)。資金を作るためにあちこちを駆けまわらなければならなかった時間を、研究・開発に充てられるのだ。時代の変化もあり、テクノロジーに対して理解のある人も増えた。大学の研究室と連携しようとする企業も多い。研究機関からの事業化という事例はますます増えていくに違いない。

これらのことから、テクノロジーは今までになく早いスピードで飛躍していくだろう。

 

2

ふたつめに、代替の『程度の大きさ』だ。今までの”機械”は全てをカバーできないことが多かった。車の運転のように、人間による操作や手助けが必要となる場合がほとんどだった。今後は、人の手助けなしに、人工知能が決められた仕事の100%をこなしてしまうようになるケースが増えるだろう。例えば、インターネットショッピングでは注文してから梱包、配達、受け取りまで全ての過程が自動で行われるようになる。ロボットが工場の棚から注文された製品を取り出し、梱包し、自動運転のドローンやトラックが配達する。商品の品揃えの選択まで人工知能がやってくれるのだからオンラインショッピングサービスを提供する人間の労力は限りなく少なくなるだろう。

人工知能・ロボット導入の障壁になり兼ねない、「ロボットよりも人間が信頼できる」という先入観も近いうちに(事実的にも)なくなるだろう。車は自分が運転するより、システムが運転するほうがずっと安全だと僕たちは嫌でも思い知ることになるはずだ。

 

人工知能(AI)を4つのレベルに分けて考える

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では、人工知能はどうやって世界を変えていくのだろう。ここでは、人工知能のレベルを4つに分けて考えてみる。

LEVEL.1 :1つの専門を極める「エキスパート」型AI。

電脳将棋ロボは将棋はできるが、オセロはできない。ルンバは床掃除を隅々までしてくれるが、話すことはできない。しかしこれらも広義の人工知能と言えるだろう。エキスパートな人工知能は、ある分野に特化してパターンを学ぶシステムを作れば良いわけだから、それほど複雑性がない。このタイプの人工知能は既に世の中で至るところで活躍している。今後、それらのロボットの作業精度は上がり、様々なケースを自ら学ぶようになるだろう。

 

LEVEL.2:「エキスパート」×「多分野」型AI

LEVEL.2はひとつの分野に限らず、あらゆるシーンでアクションを起こすことができる人工知能だ。SoftBankのPepperがイメージとしては分かりやすい(あくまでもイメージとしては)。Siriもデバイスと連携し、指示に対して様々なアクションを起こすという点でこのレベルにいるだろう。とはいえ、現状のPepperやSiriは、人によりプログラムされた指示にしか反応することができない。人間がほぼ全ての「こういう指示がきたら、こういうアクションをする」というパターンをマシンに覚えさせるパワープレイになってしまっているのだ。このレベルでは人工知能自らが学習し、判断し、次のアクションを起こすということができない。

 

LEVEL.3:「学習能力を持ち、大目的のために(感情はないが)自らアクションを決定できる」AI

LEVEL.3は人間の脳のように、幅広く認知・学習し、(大目的達成のために)次のアクションを自ら決定できる人工知能だ。まるで友達のように気さくに話しかけても、意図を読み取り、指示通りに動いてくれる。ここで重要なのは「自ら学習し、次のアクションを起こせる」ということだ。人工知能は人間と比べ物にならないスピードで学習し続けることができるため、いわゆる「シンギュラリティ」はこの段階で起こる可能性がある。シンギュラリティのタイミングが悪ければ、人工知能は人間の敵になり兼ねない。LEVEL.3を迎えたら、人間はいち早くLEVEL.4を目指さなければならないのだ。

シンギュラリティ(技術的特異点):人類が推測することができる未来モデルの限界点を指す。 科学技術が予測不能なレベルで発達し始める地点。最近では、人工知能が人間の知能を超えたとき、として使われることも多い。

 

LEVEL.4:「Level.3」 +「良心(感情)」のAI

なぜ感情(良心)を足す必要があるのか。それはLevel.3だけでは、人工知能が大目的の達成のために間違った手段を選び兼ねないからだ。人工知能は最も効率的な手段を”最善の手段”として選ぶかもしれない。大目的「地球温暖化防止」のために、「人類絶滅」を手段として選んでしまうかもしれない。これは極端な例だが、人間に危害を及ばさないようにAIをプログラムしなければならない。しかし、人に危害を加えないようにあらゆるアクションに制約を設けることは非常に困難だと言えるだろう。
そこでこの問題の唯一の解決手段は「人工知能に感情(良心)を与える」ことになる。良心をプログラムさせることで、目的達成のために邪悪な手段を取ることがなくなる。それができれば、AIは人の生活のあらゆる面を支えてくれる強力なパートナーになるだろう。

 

感情を持たせることについて倫理的な反論がないはずがない。また、バグが生じれば人間に危害を加える可能性もある。それでも一度賽が投げられてしまえば、僕たち人間は進み続ける他ないのだ。 

2016年現在、人工知能はLEVEL.1〜2にいる。ここ数年でようやく一部の分野がLEVEL.2の入り口に辿り着いたというところだろうか。そして、LEVEL.2からLEVEL.3には巨大な壁がある。ロボットが働き、僕たちは悠々自適に好きなことをして暮らす…そんな世界はまたずいぶんと先の話かもしれない。

次の記事では、職業別に人工知能が人間の仕事をどう代替していくのか具体的に予想して書いていく。

【職業別】人工知能・テクノロジーにより将来消える仕事、変わる仕事

 

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